6.ブランド・マーケティング戦略
マーケティング戦略は大きく分けて、コスト戦略と価値戦略に分かれます。
コスト戦略とは、一定以上の質を保った製品やサービスを低価格で提供することをビジネス・モデルの中心に据え、薄利多売型のビジネスを展開することです。これに対して価値戦略とは、高付加価値の商品やサービスをそれに見合った高価格で提供するビジネス・モデルのことです。消費者市場での競争が激化する中で、コスト戦略でもなく価値戦略でもない中途半端なビジネス・モデルは、その存在価値が薄れ淘汰されやすい傾向にあります。ブランド・マーケティング戦略とは、コスト戦略ビジネス・モデルであれ価値戦略ビジネス・モデルであれ、他社との差別化を鮮明にしてブランドを明確に浮かび上がらせ、市場での競争力を強固に確保することを狙いとした戦略と言えます。
ただし、コスト戦略のビジネス・モデルは低価格路線であるために、ブランド認知という面ではブランドであると認識できますが、そのブランド・ロイヤリティのほとんどが価格に対するロイヤリティであるために、ブランドそのものの価値としては相対的に低く留まる傾向にあります。これに対し、価値戦略ビジネス・モデルは、まさに高級ブランド品に代表されるように高付加価値・高価格戦略であり、そのブランド・ロイヤリティもその商品や会社に対する思いや憧れ、自尊心といった情緒的なロイヤリティで構成されるため、ブランド価値が高くその拡張機会が大きいブランドと言えます。
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